建物の中に入ると途端に、競り人の声がマイクを通じて大音量で聞こえてくる。その合間を縫うように、子犬や子猫のか細い鳴き声が耳に届く。
関東地方の、国道沿いに立つペットオークション会場。プレハブ造りのこの会場で毎週、子犬や子猫の競りが行われている。
「プードル、メスでぇす」
「柴犬、オスでぇす」
競り人が独特の調子で一匹ずつ犬種名、性別などを読み上げる。するとビニール製の手袋をはめた男性が子犬を片手で高く持ち上げ、中央の檻まで運んでくる。途中、骨格や関節を確認するためか素手で子犬をさわるバイヤーもいる。
競り落とされた子犬は、すぐに小さなカゴや箱に詰め込まれ、バイヤーの前に積まれていく。目の前に小山のようにカゴを積んでいくのは、誰もが知っている大手ペットショップチェーンのバイヤーたちだ。
こうして、毎週300〜500匹の子犬がこのオークションから関東各地のペットショップへと流通していく。
2008年度、全国の地方自治体に引き取られた犬は11万3488匹に上り、うち8万2464匹が殺された。本誌ではこれまで、大量の捨て犬を生み出す犬の流通システムの「闇」を暴いてきた。
流通システムの根幹を成しているのが、ペットオークションだ。ペットショップ(業者)は、その仕入れ先のほとんどをオークションに依存している。ブリーダー(生産業者)にしても、出荷の5割以上がオークション頼り。推計だが年間約35万匹の子犬が、オークションを介して市場に流通している。つまり現在の犬の流通は、オークションなしには成り立たなくなっているのだ
オークション禁止にしちゃえ。
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